遺言書作成は、いつ始めるべきなのか迷っている方も多いのではないでしょうか。遺言書は、自分の意思を明確に伝えるための重要な手段ですが、せっかく準備を始めようと思っても遅いこともあります。今回は遺言書作成の適齢期について説明いたします。
なぜ遺言書が重要なのか
遺言書は、自分の財産をどのように分配するかを明確にするためのものです。それだけではなく、残された家族や友人たちへのメッセージも含まれています。故人の思いが伝わり、相続人間のトラブルを防ぐことができる点に最大の目的があると私は考えています。
遺言書作成の適齢期
遺言書作成の時期には様々なタイミングが考えられます。
遺言書というと一般的には年配の方のイメージですが、結婚した時、子供が生まれた時、財産が増えた時、病気になったときなど、年齢に関わらず重要なライフイベントのときに作成するのもおすすめです。
また、ライフイベントではなく年齢で考える場合もあります。
例えば60代ですと、まだ健康で活動的な人も多いですが、将来のことを見据えて遺言書を作成することが推奨されています。60代というと、子供も成人して家庭を持っているケースも多いのではないでしょうか。私もそうですが、家庭を持つと自然と親のことを考えるようになります。子供としては親が財産の整理をきちんと行ってくれていると非常に安心できるものです。
80代ではどうでしょうか。遺言書作成の最終段階として重要な時期です。一度作成した遺言書を再確認することもあります。また、遺言書作成には実は意外と体力や集中力が必要になります。まだ遺言書を作成したことが無い場合は、専門家に依頼するなどしてなるべく早めに遺言書作成に取り掛かる必要があります。
適齢期を過ぎてしまったパターン
遺言はいつでも書ける、と思いがちですが、遺言書は遺書とは違います。避けなければならないことの一つとして、認知症によって遺言書の有効性が失われるケースです。認知症が進行すると、遺言書の作成や変更が難しくなります。法的に有効な遺言書を作成するためには、判断能力が求められるからです。
簡単な内容であればいいのですが、財産の分配が複雑になればなるほど、当時の判断能力に疑問を抱かれる可能性があります。そのため、認知症のリスクが高まる前に遺言書を作成しておくことが重要なのです。
まとめ
遺言書作成の適齢期は、ライフイベントによっても、年齢によっても異なるニーズがあります。それぞれの年代において、適切なタイミングで遺言書を作成または見直すことで、自分の意思を明確に残すことができます。早めの準備と定期的な見直しを心がけましょう。
当事務所では遺言書作成のサポートはもちろん、今すぐ作成する予定が無い場合でも、お客様の環境や人生設計から適齢期についてアドバイスさせていただきます。ご自身のことでも、親御さんのことでも構いません。少しでも気になることがあればお気軽にご相談くださいね。